2015年4月30日木曜日

「高い志と情熱」

 このたび、折にふれて感じたことなどをホームページに載せていくことにしました。ご一読いただければ幸いです。

 去る4月23日、高松桜井高校の第21回目の体育祭が行われました。本校の体育祭の特徴は、運営のほとんどを生徒が行うことにあります。その体育祭の名物に「パネル応援」があります。全校生徒が、桜、桃、梅の3つの組に分かれて(1年から3年まで縦割り)、パネルで文字とか絵柄でメッセージを伝えます。
 このパネル応援でも、生徒が主体的に行うという原則が徹底されており、練習の指導や指揮は生徒が行います。このパネル応援を陰から支えた教師が、何事にも高い志と情熱が大切であるということを訥々と語っていました。それに心打たれました。
 パネル応援は一人ひとりが50回近く、4色のパネルをそろって出さないといけません。その点では、なかなか難度の高いマスゲームです。(実際、何回かミスはありましたが…。)今年度は全校生徒が840名なので、ひとつの組に約280名います。(リーダー等がいるので少し減りますが。)280名が50回出し入れして、みんなが一度も間違えない確率というと、よくわかりませんが、大変なものだということは間違いありません。私は体育祭の前日にパネル応援の予行を見たので、どういうものになるかはだいたいわかっていました。ところが、当日は全く違うものになっていました。はるかに完成度が高くなっていたのです。演技からは強い緊張感が伝わってきて、深い感銘を受けました。マス・ゲームですから個々に練習できるわけがありません。生徒みんなの緊張感が優れたパフォーマンスを生んだのです。一部の保護者やご家族の方が参観されていましたが、同じ感想を持たれたことと思います。
 「高い志と情熱」。生徒が、指揮する側も演技する側も含めて暗黙の裡に応えてくれたから、このように感銘を与える演技になったのだと思います。

 この応援練習は4月当初の学校が大変慌ただしい時期に行われます。そのため、実は、学校にも生徒にも大変負担になっているという面があります。この行事の存廃について、今年度検討していくと生徒諸君には伝えてありました。それが、演技の緊張感になっていったのかもしれません。行事の存廃自体は今後の学校生活への影響についても考慮した上で、生徒や教師の意見を幅広く聞きながら決めていきます。今年度は存廃がかかったから緊張感を持ってできたのかもしれません。継続が決まるとだれてしまう、というのでは継続し甲斐がありません。その辺りまで突っ込んだ議論を今年度はしていきたいと思います。


 さて、4月というと昨年度の3年生の進学結果が出そろう月です。本校の今春の進学状況は、大変良いものでした。創立20周年に当たる昨年度の卒業生は、総合的に見て創立以来もっとも素晴らしい進路実績を、残してくれました。国公立合格者数は110(昨年度比+3)名でした。その内容が充実しています。難関校と言われる大阪大学に1名、九州大学に1名、神戸大学に2名合格し、岡山大学には薬学部も含めて11名合格しています。また、公立大学でも大阪府立大や大阪市立大、神戸市外大等に合格、私立大学では早稲田大学、明治大学、立教大学、青山学院大学等に合格し、関関同立には合計して75名も合格しました。(詳しくは進路指導のページをご覧ください。)本校は、現在、勢いがあると申せましょう。全体的には地元志向、安全志向と報道されている今春入試にあって、本校は着実に実績を伸ばしています。

 進路希望は生徒一人ひとりざまざまであり、それぞれの志をいかに実現していくかが大切です。今年度の3年生も、先輩に続いて「高い志と情熱」をもって、自らの進路目標を実現していってもらいたいと思います。生徒一人ひとりの進路希望をできるだけかなえる、そのために桜井高校は、全力を上げて個に応じた丁寧な指導をしていきます。

(少し補足します。本校はやや小規模な学校として設置されました。以来、在籍は、近隣普通科高校と比べ、ほぼ毎年学年あたり1学級ほど少ない数となっています。学校規模も勘案すると、本校生徒がよく健闘しているということがお分かりいただけると思います。)



 2015年4月30日                   内海富啓